TJAR行動記録 その5

5日目(市野瀬〜熊ノ平小屋)

◆市野瀬発 8/14 5:50

朝はデポの荷物を枕元に置かれて目が覚めた。加藤さんが気づいて持ってきてくれてようだ。起きると岩瀬・星野選手は出発準備中。湯川選手も起きて準備を始める。
デポの箱を開けて、着替えをする(前半と同じシャツと短パン)。シューズ(バスク・ブラー)は調子がよかったのだが、たった4日でかかとのソールがはがれてきてしまったので、安全を考えて予備のシューズに履き替える。予備のシューズはアシックスのゲルカヤノ。普通のジョギングシューズ。ソールが滑りやすいのが難点だが、耐久性はトレイルシューズより頑強で、ゴール後も少しつま先のソールが剥がれたくらい。通気性がよく乾きやすいところもマル。アッパーとソールさえ代えれば、長距離用トレイルシューズとしても十分通用するのでは。食料は、最後まであまり補給できない可能性もあると思い、4日分フルに入れる。皆のスタートを見送った後、ゆっくりとスタートする。

スタート直後、柏木の集落の分岐で道に迷っていた星野選手とすぐに合流。そのあと岩瀬選手、湯川選手とも合流して、地蔵尾根を上っていく。飯島選手が付けてくれたリボンがところどころにあって助かる。相変わらず地蔵尾根は長く、特にずっと左足が山側、右足が谷側で進んでいたので、足の調子が悪くなる。このあたりで少しマメができたらしい。日も高くなってきて、今日も天気がいい。とにかく天気には徹底的に恵まれている。暑いけど。松峰小屋分岐で小休止した後、再び長い上り。昼にやっと仙丈小屋へ到着。ここはガスが結構かかっていた。小屋ではマメができて苦しんでいる山北選手と会う。この後も足の痛みに負けずゴールした山北選手の精神力はすごい。ここでは、カップラーメンとフルーツ缶を食べる。水は選手用に取っておいてくれたペットボトルの水を無料でいただく。水場は涸れているので、主人のご好意に感謝する。

仙丈ケ岳山頂 13:21

山頂付近に付けた飯島選手のマーキング「君ならできる。大浜海岸で会おう」のマジックの書き込みに感動しながら山頂到着。なんとか日の高いうちに三峰岳を越えたかったので足を進める。南アルプスに入り、山相も北や中央とは変わり、山が大きく深くなっている。山頂まで時間がかかるし、山頂から次のピークまでは一度森林地帯まで降りて、また上らなければならない。が、個人的には色々な景色が楽しめる南が一番楽しい。毎日がレースの状況にも慣れて、少し心にも余裕があったせいかもしれない。他の選手とは離れたり、一緒になったり。離れたと思ってもまた追いついたり、がずっと続いている。横川岳から野呂川越への下りは、去年の台風で木がほとんど倒れ、道もわからない状況になっていたが(台風通過1週間後に試走した)、道は整備されていてすごく楽に通ることができた。それから三峰岳までの上りは長かったが、日が暮れる前ぎりぎりに通過。熊の平小屋には19時過ぎに到着した。小屋に到着すると、主人がテレビの天気予報を見せてくれる。日本中低気圧だらけだった。天気は徐々に下り坂で土曜日に雨が降るとの予想。お茶漬けとフルーツ缶をいただく。一緒に食べた岩瀬・星野選手はさば缶、するめ缶を食べていた。キャンプ場で水を補給してビバーク。コンビニで買ったカッパの下のおかげで足元も暖かく寝ることができた。

◆熊の平小屋着 19:20