TJAR行動記録 その6

kadokichi012008-09-11


6日目(熊ノ平〜百間洞)

◆熊の平小屋発 8/15 1:00

スタート時には、須田選手、岩瀬選手、星野選手、湯川選手と私が集結。時間を決めているわけではないが、南アルプスに来てまだ5人がほぼ同時間で行動している。このあたりはタイム重視派ではなく、完走目的派の集団。自分は、今日は百間洞まで行きたいと思いながらスタート。湯川選手と私は3人より少し早めに出たが、湯川選手は膝痛、私はどうも体が動かず、すぐに3人に抜かれる。その後塩見岳下の旧幕営地手前でガスに巻かれて道がわからなくなる。3人は進んでいったらしいが、湯川選手と二人で道を探すもうまく見つからず、夜明けも近いので、潅木地帯に戻って計2時間ほど停滞する。夜が明けてきて、ガスも晴れてきたので出発。塩見の上りの頃には、またすっかりいい天気に変わっていた。

塩見岳 6:50

塩見小屋ではカップラーメンとフルーツ缶、ジュースを買って靴下を代えながら少しのんびりする。三伏峠までは、登山客も多くちょっと気が滅入る。

photo by yukawa 塩見からの富士山
三伏峠 10:00

三伏小屋では、水のペットボトル3本を買う。水場も近いのだが、めんどくさいので金に物を言わせる。水だけで1000円以上。水をハイドレに移し変えて出発。ここからは人もぐっと少なくなる。小河内岳など気持ちいい。岩瀬選手と同じ山岳会の女性に出会った。その後お花畑の草むらで15分の昼寝。一緒にいた湯川選手の話だと、横になった瞬間にいびきをかき始めたらしい。そんなに疲れていたのに15分でなぜ起きられたかというと、1時間毎に時報のアラームを鳴らしていたから。「ピピッ」の小さい音で目が覚める。ほんの15分だが、疲れも取れて頭もすっきり。これに味をしめて、次の日も二人で昼寝をした。高山裏非難小屋でカップうどんを買う。飲み物はないそうだ。小屋では後ろからきた西岡選手も合流した。個人的は、ちょっと寂れた感じの高山裏あたりのキャンプ場でゆっくりしたいと思った。それからしばらく行くと荒川岳への上りへ突入。ガレ場を九十九折にとにかく上る。南では下から上る仙丈ケ岳を除くと一番きつい上りだった。

荒川岳前岳) 17:10

頂上から下ってきて、荒川小屋に到着すると、小屋の主人が選手とわかるなり、「カレー大盛りね」と食べるものも勝手に決められる。ジュースも買って、少し休憩。百間洞に行くには、これから赤石岳も通過しなければならない。夜の3000m超えは今レース中初めてとなる。ちょうどご飯を食べていたところで西岡選手も来て、赤石岳には3人で出発。荒川小屋自体、標高の高いところにあるので、トラバースした後、あまり苦もなく赤石岳には登頂した。

赤石岳 20:46

この日は夜も月が出ていて非常に天気が良かった。夜のアルプスを楽しめた。北のほうでは盛んに稲妻が光っていた。山で見ると少しオレンジがかっているのが印象的だった。雷の中にいたらと思うとぞっとするが、遠くから見ている分にはきれいな光だった。場所は塩見岳だったようだ。赤石からは百間洞まで下りが続く。湯川選手がかなり足に来ているようだが、下りのガレ場では進むしかない。先頭を代わって前に進む。夜の百間洞もなかなか幻想的な景色だった。百間洞を通り過ぎてキャンプ場に到着。岩瀬選手と星野選手がビバークしていたが、同じ場所にツェルトを張る。ついに明日は山を降りる日だ。あっという間の1週間だった。もっと山にいたいと思った。

◆百間洞キャンプ場到着 23:30