TJAR スペックその他

【主な装備】
いろいろあるがリュックは、一週間背負うものだけに一番重要か。なかなか自分に合うものがなく、結構投資してしまったが、最後はなんとかオスプレイのリュックに落ち着き、使用感もなかなか良かった。

■リュック:オスプレイ タロン33
・大きめ・軽量。ツェルトなどパッキングを気にせず、とにかく詰め込めるように大きめにした。ハイドレを入れるところが外に付いているので、補給に便利。ただし荷物が詰まっているとなかなか入らない。

■ハイドレーション ハイドラパック3リットル
・これも大きめ・軽量。入れる水はせいぜい1.5lくらい。とりあえず大は小をかねるということで。

■ツェルト ファイントラックの1人用
・結露がしにくい素材。ただし他のツェルトに比べると少し張りにくいのが難点。須田選手はツェルト内フレームでスペースを確保していた。

■ストック コンパーデル カーボン製2本
・軽量にするため女性用にした。ストック兼ポールで使用。ストックの先につけるゴムカバーはどちらも紛失。1本185g。通常のストックでは一番軽いかも。

シュラフカバー モンベルウルトラライト
シュラフシュラフカバー。寝るときにはカッパ、ウインドブレーカーなどすべて着て寝る。山ではそれでも下半身が寒かったので、駒ヶ根のコンビニでビニールカッパの下だけ購入した。

■ヘッドライト ルシードのライト
ルシードというドイツのメーカーのヘッドライト。神田にあるマニアなカメラ屋で買った。石井スポーツでもたまに見かける(マムート製のOEDで販売している)。強力ビーム1灯、レギュラー2灯。頭の後ろにある電池入れにも赤いLEDが3つ付いており、後ろからでもしっかり認識できる。これまで後ろのライトをつけたことはなかったが、今回はトンネル内で大活躍した。

■腕時計 カシオの1980円デジタル時計
岩などにかなりぶつけるので、安物の軽いデジタル時計にした。時間を見るだけのシンプルなもの。荒川岳の上りで、湯川選手が今何mと途中途中教えてくれたが、そういう時は時計についている高度計も便利だと思った。

【服装】
服装は汗が乾きやすいこと、日焼けをしないようにすること、タイツが嫌いなので、締めつけのないものにすることで以下の服装とした。ファイントラックの服は、それなりの値段はするが、性能も値段だけのことはあったと思う。マメ予防の点で、靴下は重要だと思った。自分に合う靴下、あと枚数も多めにしてすぐに取り替えられるようにしておくと安心。

■下着 ファイントラック フラッドラッシュスキンメッシュ 上下
・ぬれた感覚がほとんどないと知り合いの間でも評判だったので使ってみたが、確かに背中のぬれなど不快感がほとんどなかった。スグレモノ◎一押し!

■シャツ ファイントラック ラミースピンジップTシャツ
・スキンメッシュの上に着用。汗でぬれても乾きが早いような気がした。ただし少し重い。

■パンツ
ロードでは、ユニクロで数年前に発売されたトランクス型海水パンツ、山ではアシックスの薄手のジャージ。ジャージは山では快適・安全だが格好は明らかに良くない。おじさん風登山者になってしまう。もっとかっこよくて締め付けのないボトムがほしい。

■帽子 モンベルの銀色の兵隊帽子
紫外線カットのため、横と後ろもカバーされているのは重要。自分の場合、眼鏡なので、雨の時には、雨がレンズにかかるのも防いでくれる。締め付け感があると頭が痛くなることがあるので、サイズは大き目を使用。

■靴下 スマートウールのランニング用
・ラン用といっても厚手。ウールなので乾きやすく、湿ったシューズに足を入れたときもある程度の水分は靴下自体が吸い取ってくれるので、あまり足自体がぬれない。ロード用に普通のランニングソックスも持っていった。

【シューズ】
全行程をブラーで通したかったが、途中で壊れてきたので履き替えた。ブラーは今年のTJARでは、圧倒的シェアを占めていた。速く走るというより、しっかり足をサポートしてくれるシューズ。メーカーからは何も発表はしていないが、今年モデルから明らかに軽量化している。自分のサイズ(27cm)で20g近く軽くなっていた。来年はブラーライトなるものが出て、モデルチェンジもするらしい。あんまりいじるとシューズのバランスが崩れるので、今のままにしてほしい…。

■前半(北ア〜中ア):バスクのブラー。ワンサイズ大きめで、大きさ調整のため、インソールの下にさらに薄い中敷を入れた。前半だけでかなりソールが磨り減った。岩をグリップしていてくれた証拠。いつも履いていて安心できるシューズ。ただ、かかとからソールがはがれてきてしまい、後半は交換することに。

■後半(南ア):アシックスのゲルカヤノ。ロード用。ソールも厚く、安定感があるシューズなので山のロング走では絶対使えると思っていた。アッパーがやわらかいので、後半足がむくんできても対応ができる。ソールはさすがに少し滑りやすいが、「ここは滑る」と思ったところで、思ったとおりに滑ってくれたので、逆に安心だった。下手なトレイルシューズより頑丈で安心できるシューズ。ただ肝心のロードでは、すでに足が疲れていて効果は不明。マメができたのもシューズのせいか、長い距離を歩いたせいかよくわからない。ちなみに宮崎選手は全行程、普通のジョギングシューズで通していた。

【食料】
軽量化のため、ストーブを持っていかなかったので、主食はカロリーメイト。ほかに一口サラミ、チョコレート、ビタミン剤。持っていく食料は今回の大きな反省点。カロリーも重視しなければいけないが、おいしいものを食べることも重要。というかどうしてもカロリーメイトが好きになれないのが問題か。

カロリーメイトはカロリーがあって軽量なのだが、水分も少なく食べるのはつらかった。後半分は大量に残してしまった。一日分は800キロカロリー(二箱)。
■サラミは脂肪が多くカロリーが高い。消化は悪いが、腹持ちするし、肉を食べてるという満足感、塩分補給にもなる。
■チョコは、普通の一口チョコと昔子供の頃に良く食べたライスチョコを持っていったが、ライスチョコが懐かしかったせいか、おいしくて持っていったものは全部食べた。
■血尿が出た原因のひとつにビタミン剤・サプリメントの飲みすぎがあるような気がして(あくまで勘)、途中から飲むのを一切やめた。ビタミンCやアリナミンAみたいな肉体疲労時に飲むもの、さらにグルコサミン、エビオスを持っていった。

【体調など】
■今回、生まれて初めて血尿を経験した。出した後も残尿感がひどく、走る時かなり気になった。ただし血尿が出ているから体調が悪いということはなく、レース中ずっと体調はよかった。最初はばい菌が入ったのかとも思ったが、痛みはあまりなく、詳しい原因は不明。
■食欲もあったが、数少ない山小屋で無理に補給しようとしたため、暴飲暴食気味になってしまった。レース中は胃が少しもたれるくらいだったが、レース後は、胃が頻繁に痛くなり、少し潰瘍気味だったようだ。これが一番の後遺症。ただしそのときも食欲は旺盛で、普段の1.5倍増しくらいで食べていた。1ヶ月たってやっと普通に戻りつつある。
■今回表面的に一番ひどかったのがむくみ。ゴール時は顔や手がぱんぱんにむくんでいた。むくみの原因は脱水が原因らしい。一度ブログにも書いたが、体の水分が足りず、急激に抗利尿ホルモンが出たようだ。このあたりも血尿の原因のひとつか? 確かにレース中は重い水を背負い込みたくないため、持つ水を少なめにして、ちびちび飲んでいた。足は走っているときはそうでもなかったが、終わった途端、むくみと腫れが一気にやってきた。顔や手のむくみはゴール直後から少しずつ取れていったが、足のむくみはなかなか抜けず、終わって1週間は会社にサンダル通勤した。その間にお酒を飲まなければいけないときがあったが、そのときはひざから下が破裂しそうな感じだった。あと足がかゆくなった。レース1週間後の週末、家で水分をひたすら取りながら休んでいたら、急激に足のむくみも取れていった。
 ちなみにゴール直後の体重は、スタート時より4kg増えていた。1週間その状態が続き、1週間後むくみが急に引いたときには、体重もスタート時より減っていた。随分水を溜め込んだものだ。

家に帰った直後の足。原型がよくわかりません。

■足の筋肉疲労は、2日目あたりに一番感じた。筋肉痛もあった。しかしあとはペースを守ることであまり感じなくなった。進むペースも速くないし、あとはある程度緊張状態にあるので、あまり感じなかったものと思われる。終了後も大きな筋肉痛はなかった。
■最終日の足の痛みは、マメが原因。山よりもロードのほうが、足の同じ部分に負荷がかかるので、気をつけなければならない。ワセリンやマメ予防の塗り薬、靴下の取替えなどが必要。最終日はとにかく早くゴールしたくて、あまり休みも取らずに進んだので、足の指がしびれてきて、しびれもしばらく残った。右足中指の根元には、力が変にかかったのか膿がたまっていた。後で、この指の爪は取れてしまった。
■6月の大会(志賀野反)で左手小指を骨折していたので、7月の選考会、特に骨折1週間後の中アはかなり苦労した。本番にはある程度使えるようになっていたので、問題なかったが、腕や指のけがは体のバランスが崩れてしまう。また手は頻繁に使うのでしっかり手袋で保護したいところ。
■紫外線は体を疲労させるので、山ではなるべく肌は出さないようにしていた。ずぼらなので、もちろん日焼け止めなどは持っていってないが、帽子も深めにかぶって、自分では完璧に防備していたと思っていた。しかし、1箇所、くちびる(下唇)だけはまったく無防備になっていた。自分の唇が少し下のほうが出ているのと、走る(歩いている)最中は、口を開けていることが多いので、口の中の部分までひどく焼けて、皮が剥けてしまった。唇が焼けると食べるときにも気になりひどい目にあった。あと見た目もひどい。
■睡眠はぐっすり寝ていたのは、1日60〜90分程度だと思う。ちょうど睡眠周期の1回分。それ以上の時間は横になって体を休ませているだけ。例外は3日目の木曽駒スキー場。ここでは板張り屋根つき、なおかつにわか雨もあり、待機時間もあったので、随分ゆっくりと寝ることができた。あとは少時間の昼寝が、疲労回復には抜群の効果があることもわかった。昼、特に晴れていれば山の上でも暖かく、横になるだけですぐに深い眠りに入ってしまった。夜にもそもそと着込んで寝るよりも非常に効率がよい。